#013 Pierre-Louis Mascia Blanket
パリのセレクトショップのソファに
無造作にディスプレイされていたストール
花柄も ヒョウ柄も 派手やかな色合いも
どれをとっても嫌味なく上品で
個性的な柄たちに目を奪われた
それを見た日からずっと
そのストールが脳裏から離れない
パリ出張中 仕事の合間にでも
再度そのショップへ立ち寄るつもりだったものの
そういう時に限って
スケジュールの都合上
あえなく断念
帰国後もしばらくの間
そのストール
いや
柄たちに恋い焦がれていた
そのショップで出会ったストールが
Pierre-Louis Masciaだった
それからというもの
毎シーズン
独特の色彩感覚でコラージュされた
新たな柄を見るたび
心が躍る
ストール以外にも
タオルケットや クッション
バッグや トラベルケース など
デザイナーの気まぐれともいえる
ストール以外のアイテムもまた
楽しみのひとつとなった
そして
このブランケット
この素材こそが
パリで心惹かれたものだった
同じ柄でも
この素材にプリントされると
少しトーンが落ち着き
絶妙な色合いになる
それがまた
たまらない
もはや
ピエールの商品を扱えているというだけで
満足でもあった頃
ブランケットが売れ残るという
不謹慎にも
嬉しすぎる緊急事態
眺めては ニヤニヤ
インテリアとして想像しては
さらに
ニヤニヤが止まらない
そうやって
ニヤニヤしながら
実は
未だに使えていない・・
最初の熱が高かったせいか
贅沢品だからか
自分のものとするまで
妙に気構える
柄物に惹かれるのは
私にとっては貴重
隠れ派手好きと自負しているほど
色も柄も大好きだけど
好みの色柄物にはなかなか出会えない
絵画を飾るように
布を身に纏い
インテリアとして
布を配う
好きなモノに囲まれ
また その刺激を
五感で感じる
他愛もない日々の贅沢を
見逃さず
丁寧に暮らしていきたいと思える瞬間
h.