Boudoir de BdT

#005 Haider Ackermann Shirt

Boudoir de BdT


メンズのような サイズ感

なのに袖を通すと

落ちる布 そのドレープにより

より女性らしく 凛とした表情を与えてくれる


大抵 買付けの際

自分が一目惚れしたものほど 売れ残ったりする

このシャツも例外ではなかった


嫁に行きそびれたシャツを引き取り

着て 洗う を繰り返す


私が学生の頃 山本耀司さんが

真新しいシルクの服を洗濯機で何度か洗うと

着古したような質感になる

そうしてシルクを着るのが好きだ と仰っていた


それ わかる


さすがに洗濯機でガンガン洗うことはできなかったけど

何度も手洗いを繰り返すと

ぬったりとした 

最初とは明らかに違う 素材感

テカテカしていたカーキ色も どんどん白っちゃけ

実際 いいのか悪いのか


でも 

布好きにとっては たまらない

数年経った今

より 自分のものになった感じ


服にも味が出てくる

味もヨレも 紙一重かもしれない

でも 自分が好きならそれでいい


大人になり

あんまりボロは身につけられなくなったけど

いつまでも味のある服を 身に纏っていたいし

その服に着られてしまうことのない

人間でありたい


h.

#004 Hermès Kelly

Boudoir de BdT


女性だったら一度は憧れるだろう

バーキンや ケリー


ステッカーをいっぱい貼って ガンガン物を入れ

乱雑に扱う感じ

私もいずれ バーキンを蹴飛ばす勢いで使ってやる

と 心に誓っていた


しかし バーキンを目の前に 若かった私は

バーキンの華やかさ に尻込みした


名前の由来からも

ケリーの方が 恐れ多い気がしていたのに

合わせてみると

なぜか しっくりきた


なにかの節目に というわけではなく

いつものように 都合の良い出会い にかこつけ

自分の元へ連れてきた


気品漂うケリーバッグ

自分とバッグとの釣り合い が気になり

いかに 普通に使ってます感 を漂わせるか

恐る恐るも がしがし扱ってみる


ある時

とてもよい塩梅に くたびれたケリーを待つ女性と出会った

前のめり気味に くたびれた経緯を伺ってみると

エルメスの高級レザーは ワンちゃんも大好物

ワンちゃんの手の届くところに置いたもんには

ガブガブと 美味しそうにかじってしまうそう


私がどんだけ乱雑に扱っても

ワンコのかじりに 勝てるはずもなかった 


そんな時 パリのマーケットで出会った

ぼろっぼろのケリーバッグ

程よいサイズに 綺麗なダークグリーンのレザー


実際どうしたら エルメスがこうなるのか

何匹のワンコのおやつになれば こうなるのか

先日の女性のものとは 比にならないほどボロボロだった

それでも 私には宝物に見えた


持ち手も外れそうなほどの ケリーバッグを

迷いに迷った挙句

結局 連れて帰ることができなかった

なのに

その おんぼろケリーを 今でも思い出す


年月が経つと

おんぼろバッグすら

綺麗な思い出になるのかもしれない


良い人の元で 元気に活躍していますように


h.

#003 Mickey Mouse Watch

Boudoir de BdT


いつだったろう

昭和天皇が ミッキーマウスの腕時計をされている

記事を発見した

ジャケットの袖から見える ミッキーマウスの腕時計


その記事によると

アメリカご旅行の際 ディズニーランドで

記念にいただいたものらしい

その後は

普段の日も ご自身で選ばれて身につけるほど

ご愛用されていたとか


天皇陛下が!

いや おじいちゃんが!(ごめんなさい)

スーツ姿にミッキーマウスの腕時計!

そんなギャップに憧れ

ミッキーマウスの 腕時計探しの旅 が始まった


ロンドンのエンジェルで行われるアンティークマーケットから

ふらりと入った路地の 小さなアンティークショップ

そのウィンドウをのぞくと

ミッキーマウスの腕時計を発見!!


覚悟していたわりに あっさり出会ってしまった


そのせいか ひとつ手に入れたことを きっかけに

出会えばまた喜んで連れて帰る ミッキーマウス

そしていつからか 腕時計に限らず

アンティークのミッキーマウスを見れば

連れて帰るという始末


ねじまき式の腕時計は ゆっくりネジを巻くと

カチカチカチ

なんとも言えない 心地よい音で動き出してくれる

身につけている人の生活により

秒針が 早くなったり 遅くなったり

本当に 共に生活しているよう


私の腕時計たちは この買い物道楽ぶりに

呆れ返っているに違いない


h.

#002 Burberry Trench Coat

Boudoir de BdT


ロンドンのマーケットで出会った バーバリーのトレンチコート


トレンチコートに憧れ始めた 20代前半

真新しいものを身につけることに 抵抗があった私は

トレンチコートに 着られることなく着こなしたい

という思いから ビンテージを探し始めた


そんな折 バイヤーとして

ロンドン出張へ行くことが決まった


トレンチコートといえば バーバリー

バーバリーといえば イギリス

ということで これは願ってもないチャンス!


出張時には マーケットや古着屋で

ありとあらゆるトレンチを試着し

ようやく自分の身体にしっくりくるサイズを見つけた時は

まさに 宝探しをやりきった気分


そして トレンチにも満たされていた数年後

都内のあるセレクトショップで

バーバリーのキッズサイズのトレンチが

ディスプレイされているのを 見つけた

ぜひそれを試着させて欲しい!と 興奮気味にお願いすると

『あちらは大変貴重なものなため 売り物ではないんです』

と 感じ良く あっさり断られた

落胆が高速過ぎて クラクラした


その後 今度はキッズ用のトレンチを絶対見つけてやる!

と 探し回り

諦めかけた 何度目かの出張で見つけた時には

ガッツポーズをしたほど


服も なにかと同じで

躍起になっている時には 大抵見つからず

力を抜いたタイミングで ふと出会えたりする


h.

#001 Maison Margiela Tabi boots

Boudoir de BdT


メゾンマルジェラ(当時メゾンマルタンマルジェラ)の

記念すべき 初足袋ブーツ


どうしたものやら

その後 気狂いのようにクローゼットに増えていく足袋たち


当時 とにかくその圧倒的な存在感を放つコレクションに

魅了された

そして足袋ブーツに衝撃を受けた 学生の私は

とりあえず 作業着のおっさんにまみれて

地下足袋を買ってみる

それゆえ

晴れてこのブーツを手に入れた時の 高揚感 ワクワク感


これを履いて通勤電車に揺られ 一日中接客し

慣れないヒールにどんだけ打ちのめされても

ずっと履いていたかった


私にとってそんな存在の足袋ブーツも 世間的には 賛否両論


このブーツで工事現場を通ると 必ずおじさまたちの注目の的

指さされることもあれば 手を振ってくれることも

どんな反応でも 心の中でお揃いですね!って 

笑顔で通るよう心がける


電車の中では目の前に座る可愛らしい女子たちに

クスクス笑われることも

マルタンもルブタンも おしゃれの価値観 人それぞれ

と 深呼吸して 寝たふりをする


そんなこんなも ファッションの面白いところ

これからも 楽しんでこのブーツと共に歩もうと思う


h.