Boudoir de BdT

#039 The North Face Purple Label Packing Cases




バイヤーという職業柄

旅慣れていると思われることが多い


イメージ的にはそういう職業なのだろうが

本人にはまるでそういう感覚がない


特に20代の頃の私は

大真面目な自分ルールに雁字搦めで

プレッシャーも強く

自分自身のことまで全く気が回らなかった


時を経て

ようやく出張だけでなく

あらゆることへの向き合い方が

いい加減になってきた


そう

「いい加減」であり

「良い加減」でもある


脇目も振らずに仕事をしてきた人間が

いい加減になるのはなかなか勇気のいること


でも実際

いい加減になった途端

いろんな景色が飛び込んできた


同じ時間を過ごすなら

楽しい方が幸せに決まっている


自分の中で縛り付けていたものが

解けてからというもの

のびのびし過ぎなほど

出張を楽しめるようになった


そんな20代の頃の自分が

旅の支度なんて手馴れているはずもなく

出張前日に

徹夜で荷物を詰め込むのが常だった


そして30代になり

余裕が出てくると

自分のスーツケースの中身が

急に気になり出してきた


現在の出張は半年に一回

バイヤーとしては少ない方だろうが

それでもすぐに出張の時期はやってくる


このサイクルを繰り返していくと

出張時に必要なものが

嫌でも見えてくる


これまで使用していたものに

なんの不満もなかったが

少し視野を広げると

楽しいものがたくさん見えてきた


アウトドアブランドって素晴らしい


何と言っても

見た目以上の機能性に

いちいち感動してしまう


そこで

The North Face Purple Labelの

パッキングケースを知り

シーズンごとにチェックするようになった


小さいポーチから大きなものまで

4点セットになっていて

シーズンごとの色・柄に

ポーチの形や内容が少々変わる


ゼブラ柄を経て

レオパード柄のシーズン到来


やはり獣の方がしっくりくる


手に入れなければ!

と興奮したタイミングで

素敵な友人

なんとプレゼントしてくれた


ありがたき幸せ


このパッキングケースは

大・中のケースにシューズ用

そしてそれをまとめて収納できる

手のひらサイズの巾着の

4点セット


この薄いナイロン素材は

どのアウトドアショップへ行っても

用もないのに買いそうになるほど大好きな素材

さらに軽くて丈夫と

流石である


もともと

トラベル用として欲しかったわけだけど

職業柄

洋服を持ち運ぶことも多く

普段から大活躍している


しかし

私の所有物には

動物愛護団体から

卵を投げつけられそうなくらい

なにかと獣率が高い


そのため

獣同士のバッティングを避けるためにも

無地のものを手に入れたいところなのだが

このところ

パッキングケースの新作が滞っている


企画の皆さま

どうかひとつ宜しくお願い致します


何事にも

余裕を持つことは大切だと

つくづく実感する


年々

理想が変化し

いい加減な人に

より憧れる


そしてもっともっと

肩の力の抜けた

いい加減さを身につけたいと

目論んでいる


h.

#038 Taschen Travel Books




初めて行く海外

そういう時にまず

手にするガイドブックといえば

「地球の歩き方」だろう


創刊以来

今では100都市以上に及ぶらしい


平和で豊かな日本に暮らしていると

「無い」ということに憤慨しても

「有る」ということへの感謝は

なかなか気づきにくい


「地球の歩き方」もそう

自分が行きたい国の本は

あって当たり前くらいに思っている


学生時代

海外に行く予定があるわけでもないのに

立ち寄った本屋で手にした

Taschen社のガイドブック


Taschenとは

ドイツの出版社

アートブックのトップブランドともいわれ

ファンも多い


厚みのある紙面にやや荒い画質の写真

説明文は一切なく

3ヶ国語による必要最低限のインフォメーションのみ

地図はイラストと

あくまでビジュアル重視


ショップ紹介も

お決まりの外観や内観全体の写真は

極めて少なく

特徴的な部分が

マニアックにクローズされている


ガイドブックらしからぬ

その潔さは

各都市のアートブックを見ているようだった


そもそも

このガイドブックのタイトルの都市数は

両手の指に収まるほど


選りすぐられた

といえば聞こえはいいが

Taschen社の気まぐれのようで

「地球の歩き方」とは

スタンスが大きく違う


そのTaschen社の

ガイドブックの世界から

学生の頃の私は

たくさんの夢やアイデアをもらった


なにかに悩んだり迷ったり

自分の中で停滞している時

本から学ぶことは多い


しかし

ガイドブックに

そんな役割まで期待していない


それなのに

今でも

この本の中には

新しい発見がある


秋風の心地よい頃

異国の空を

ぼんやり思い浮かべながら

現実逃避をすることも

読書の秋だからこそ

許されるひとときかもしれない


h.

#037 Maurizio Pecoraro Short‐sleeved Knit




夏の終わり

秋に近づくと

その時期にしか楽しめない

コーディネートを想像し

心待ちにしてしまう


季節でいくと

秋のコーディネートが

一番お洒落ではないかと思っている


しかし残念なことに

最近の日本の気候は

秋を飛び越えてしまうことも

しばしば


それでも

わずかな秋を見逃さぬよう

その時をじっと待ち望む


そこで秋に着たいアイテムとして

真っ先に思い浮かぶのが

半袖のタートルネックニット


服を着る上で

肌の露出とバランスは

重要なポイント


例えば

デニムの裾のロールアップや

シャツの袖をまくるなど

同じアイテムでも

そのまま着用した時より

肌の見せ方を少し変えるだけで

お洒落に見えるか否かを決定付けるほど

差が出るものである


タートルネックなのに半袖

半袖なのにタートルネック

防寒にも防暑にも向いていない


物心ついた頃から

ファッション誌の中で目にする

半袖のタートルネックニットにロンググローブ


子供ながらに

最強のコンビネーションだと

確信していた


Maurizio Pecoraroのニットは

ウールベースに

前身頃にはシルクとモヘアのニットを

重ねたデザイン


しかも

黒いシルクに黒いモヘア

なんとも控えめで贅沢なデザイン

一年のうちに活躍する頻度も控えめなものの

こういうアイテムこそ

欠かせない


よく

実用的ではないアイテムに対して

「なかなか着る機会がない」と

耳にする


先日

友人との雑談の中で

「機会があれば・・」と言う人は

初めからその気がないのだろうと

結論づいた


機会は

待っていてもやって来ない


四の五の言わず

ここだ!と感じた時こそ

楽しむべきである


h.

#036 Calvin Klein Underwear

Boudoir de BdT


特に夏の猛暑には

インナーを着ることすらうっとおしいと

思ったりもする


だからこそ

何より

素肌に一番近いものは

一番心地良いことが絶対条件


実用的なインナーの代表選手として

Calvin Kleinは秀逸

素材・着心地・見た目

どれをとっても

ストレスフリー


先月原宿に

Calvin Kleinのアンダーウェア専門店がオープンした

特にウィメンズのインナーを

日本で手に入れることは困難で

強いて言えば

コストコでまとめ買いが出来たくらいだろう


そのため

海外出張へ行く度に

買い込むこともしばしばあった


普段

モノトーンの服が多い私は

当然のようにインナーもモノトーンだった


20代初めの頃

同じようにモノトーンの服装を好む

スタイリストさんから

「インナーも黒っぽい色が多いでしょ?」

と意味ありげに突つかれた


「ダメなのよ!

暗いものばかり着ていると

幸せになれないんだって!

この前忠告されたの!

だからあなたも

せめてインナーだけでも

明るい色のものを買いに行って!」

と面白いアドバイスをいただいた


そういえば

美輪明宏さんも

同じようなことを言っていたな


明るい色・・・

なんとも抵抗があり

せいぜい寒色系で色を加えた程度で

やっぱり基本モノトーンで過ごしていた


ある時

絶対に自分では手に取ることのない

鮮やかな色のインナーを戴いた


いやいやいや・・・


ありがたくも抵抗は拭えず

クローゼットの中に放置したままだった


元・楽天の野村監督が

連勝中

ラッキカラーのインナーを履き替えなかった

という話は有名だが

スポーツの世界では

こういったゲン担ぎにまつわる話を

よく耳にする


ある日

そっと放置されていた

鮮やかなインナーと目が合い

なんとなく

それを身につけて仕事へ出掛けてみた


ん?

その日一日

いろんなことがスムーズに進んでいた


たまたま偶然

気のせいだろう


そして数日後

またそれを身につけ仕事へ出掛けてみる


すると不思議なことに

またその日も調子が良かったのだ


単なる偶然

気のせいかもしれない


でも

インナーの色を変えてみる

たったそれだけのことなら

騙されてみようじゃないか


その後

私のクローゼットの中には

鮮やかな色が増え続けている


最近では

自分の中で大切な日

ちょっと重要な仕事の日

そんな日には決まって

鮮やかな色を選ぶようになった


半信半疑だったものの

ゲン担ぎくらいで成果が出るなら

万々歳


巣鴨の赤パンツの効力

あれだって

あながちないこともないのかもしれない


h.

#035 Creed Fragrance Original Vetiver

Boudoir de BdT


香り

私にとって

特別で高貴な存在


お洒落な映画に出てくる綺麗な女優たちは

みんな良い香りがすると思っていたし

広くてお洒落な家のリビングもまた

とても良い香りがすると思っていた


美しい女性の条件とは

いろいろあるだろうが

個人的に

香りは必須だと思っている


若い頃は

二重が良いだの

鼻が高い方が良いだのと

自分の顔とにらめっこしては

足りない部分を挙げていたけれど

顔の作りは授かりもの

どう足掻いても受け入れるしかない


そして気づくことは

美しいといわれる女性が

必ずしも端整な顔立ちをしているわけではない

ということ


内面は外見に表れる

笑顔が常に晴れやかで美しい女性は

中身も曇りがなく清々しい


そう思うと

美しい人

つまり美は

自分次第で

誰にでも手に入れられるはずなのだ


私がこれまでに出会った美しい人の共通点は

姿勢が正しく

いつも穏やかで

言葉遣いや所作はもちろん

手書きの文字まで美しい


そして極め付けは

立ち去った後にふんわり残る

良い香りである


残り香というのは

端正な顔立ちより

より鮮明に印象を残す


美人は一日にして成らず


まずは

自分に合う香りを見つけなければならない


香水といえば

やはり

CHANEL N°5


慣れない化粧品売り場へ行き

その香りを試してみる


なんだろう

イメージは自分に都合よく

勝手に美化されているもの

長年の妄想はあっさり撃沈した


そこからは様々な香水を試してみた

ひとことでバラの香りといっても

いわゆる甘いものばかりでなく

茎の青々とした香りがすっきり香るものもある


何につけ

極めようと思えば奥が深い


さらに香水というのは

付けた人の体温と時間により

香りが変化していくもの


そんな複雑なものを

オリジナルとして極めようなんて

容易ではない


なかなか

しっくりくる香水を見つけられないまま

過ごしていた頃

知人から

メンズに向けて作られたものだが

私に合うのではないかと

CREEDのOriginal Vetiverを紹介してもらった


Vetiverとはイネ科の植物で

多くの香水のベースノートとして使用されている

CHANEL N°5 のベースノートでもあるというから

より興味深い


そこにベルガモットやマンダリンが加わり

爽やかな香りがなんとも心地よく

自分らしいのではないかと

愛用するようになった


服を選ぶように

シーンによって香水を使い分けるなど

私にはまだまだ先の話だけれど

香りを身近に

そして味方に出来たら

女の人生

ちょっと厚みが増すような気がしている


h.