#023 Astier de Villatte Wine Grass
今や
お洒落な白い陶器の代表格となった
Astier de Villatte
私もそのファンの一人である
初めて パリのSaint Honoréにある
路面店に訪れた時には
住みたいと思うほど
至るところまでたまらなく好みだった
床から天井まである棚に
びっしりと並べられた食器たち
訪れるたびに
隅から隅まで目を皿のようにして
首がもげそうなほど
天井まで見渡して
新たな発見はないかと集中した
そうしてみると
ディスプレイや什器 棚や床など
売り物以外の様々なものまで
目に飛び込んできて
ワクワクが込み上げてくる
個人的には
美術館で有名な絵画を鑑賞するより
価値のある空間だ
何度か足を運ぶたび
必ず目に留まるものがあった
どうやらワイングラスらしい
何とも言えないバランス感
私の知っているワイングラスは
モデルのような
こうスッとした佇まいで
洗練されたイメージ
でもこのグラスは何か違う
オレンジジュースでも入れたくなるような
親近感さえ感じさせる
やっぱりどうしても気になり
何度めかの来店の際
よくよく顔を突き合わせてみると
少し印象が変わった
確かに洗練されたモデルのようではない
ただ間違いなく私にとっては
こちらの個性の方が好みだったのだ
身につけるものとは違い
あれこれ食器が欲しいと思うタイプではない
だからこそ
こうも惹かれるのはちょっと珍しい
残念ながら下戸の私が
このクセのあるワイングラスに
ワインを注ぐことはないかもしれないけど
我が家へお越しいただけますか?
なんて許可をもらったふうにして
ようやく連れて帰る決意をする
さて
どの子を連れて帰るのか
ハンドメイドゆえ
一つ一つ大きさもバランスも
絶妙に違う
いくつかあるワイングラスの中から
真剣に選抜する作業は
童心に返ったように純粋に楽しい
そうして厳選された2脚が
我が家に仲間入りした
こういう食器は
見える場所に置いてあっても
それだけで絵になる
あれ以来
この2脚を眺めることはなかったけれど
やはりクセのある見かけに
手作りならではのぬくもりを感じ
改めて
とても好みである
こういった
本当に気に入ったものだけを集めていけたら
いつか我が家は
自分にとって
最高の美術館になるに違いない
h.